好きです

6/21
前へ
/316ページ
次へ
「そ、そういうわけにはいきません。噂は誤解を解こうとしているのに、更に火に油を注ぐようなこと」 「俺走ってもいいよ?俺も噂とか気にしない……し、でもそんな簡単なことじゃないか」  悠希に睨まれ、晴は慌てて言葉を変える。 「困ったね」  心配そうなかすみの顔を見て、美月はなんとか笑顔を作ると大丈夫と言った。 「まだ日にちはありますし、何か良い方法を考えてみますから」 「私達も考えるね」 「ありがとうございます」 「…………」  そうは言ったものの、とくに良い考えが簡単に浮かぶはずもなくて。何も思いつかないまま体育祭当日を迎えた。
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加