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「あー一緒に走ってくれるといいな。悠希」
……本多くん?この人本多くんに告白するんだ。
美月の鼓動がだんだん速くなっていく。
「えー私も悠希なんだけど?まあどっちが選ばれるかは恨みっこなしで」
二人も本多くんの所に行く……。どうしよう、もし本多くんがどちらかを選んだら。そうか。告白しないっていうことは、私はずっと友達のままで。
本多くんに彼女が出来るかもしれないし、出来ても何も言えないんだ。だって私は告白しないから。彼女達と同じ所にさえ立っていない。
「さあさあ、ついにやって来ました!!我が校名物の借り物競走!!お題はもちろん好きな人!!この借り物競走でカップルになった人も数知れずという!!」
「位置について……」
パン!!とピストルの音が聞こえた。皆一斉に紙が置いてある机の前まで走る。美月は力なく走ると、机の上にあった紙を手に取り広げた。
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