好きです

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「それに嫌じゃない?ほら!!悠希モテるから今も悠希の所に女の子行ってるよ!!告白しなかったら、ずっと友達のままで……いつか彼女が出来たら後悔するよ?」 「でも……かすみちゃんも」  かすみちゃんも本多くんのことが好きなんでしょう?それなら言えない、言えないよ。  俯く美月の頬を、かすみは軽く叩いた。驚いて顔を上げると、そこには笑顔のかすみがいた。 「水原美月。好きなら待ってちゃダメ。自分から行動しないと。美月ちゃんなら大丈夫だから。勇気を出して」 「かすみちゃ……」  本多くんに彼女が出来るのは嫌だ。ずっと友達のままでいいと思っていた。でも……本多くんに好きな人が出来た時、私は心からそれを喜べない。 「……行って来ます」 「うん。頑張って」  美月は紙を握りしめたまま、悠希の所に向かって走り出した。 「……って頑張るのは私も同じか」
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