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友達だって本当は欲しいし、独りでなんていたくない。独りが平気な人なんてこの世にいるのかな。
私は陽菜が言うような人気者なんかじゃない。人気者って言うのは男の子にも女の子にも人気のある人のことを言うんだと思う。
私はただ独りになるのが怖い半端者だ。本当は誰よりも人と繋がりたいと思っているのに、それを誰かに伝える勇気もない。あ、なんか泣きそうだ……。
涙目になっている美月に、悠希は聞いた。
「変わりたいか?」
「……変わりたい」
そう、私はずっと変わりたかったんだ。こんな自分にはもううんざりなんだ。十五年間付き合ってきた私は、私のことを好きになんてなれなかったから。
みんなから嫌われているのなら、せめて自分くらい自分のことを好きでいたい。そう思った。
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