一歩を

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 美月は教室へ戻ると自分の席へと座った。ドキドキする心臓を抑えるように、深呼吸をする。  少し遅れて教室へ戻ってきた悠希が、美月の元へとやって来る。 「おはよう、水原さん」 『まずは挨拶』 「お、おはようございます」  美月の言葉に、教室内がざわついた。 「水原さんが……挨拶した?」 「まじで?聞き間違いじゃねーよな?」  騒ぐ生徒達の声を聞きながら、ちらっと悠希の方を見ればどこか嬉しそうに微笑んでいた。  あ、また笑った……。 「きゃあ!!悠希くんが笑ってる!!」 「嘘!?あんな顔するの!?」  普段笑顔など見たことのない女子生徒達が騒ぐ中、晴が教室へと入ってきた。
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