文化祭

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「今日私一日凄く楽しかったです。メイド服着たのも初めてだったし、クラスの人達とこうやって過ごす文化祭も初めてだから。それにか、彼氏の。本多くんの格好良い姿も見れて」 「俺も楽しかった。まあ出来れば一緒に回りたかったけどな」 「そうですね。でも今一緒に花火見てるから。充分です」 「…………」  そう言って幸せそうに微笑む美月。その横顔を眺める悠希。じっと見つめていると、その視線に美月が気付き、隣を向く。 「花火見ないんですか?」 「水原さん、見てる」 「な、何でですか?花火見て下さい」 「好きだなと思って」 「……私も好きですよ?」  美月の顔が赤く見えるのは、花火のせいなのか。恥ずかしさで俯く美月の手に、悠希はそっと触れる。驚き振り向く美月。
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