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 文化祭の熱が冷め始めた頃のことだった。ある噂が校内に広まっていた。 「なあ、あの話聞いた?」 「聞いた、聞いた。マジなわけ?」 「いやーまさか悠希がなー」 「ねぇ、あの噂本当なのかな?」 「本当なら水原さんちょっと可哀想かも」  ?何だろう……。今日やけにみんなに見られてる気がするのは、気のせいなのかな?  下駄箱でも廊下でも教室でも、周りの生徒達が美月を見てひそひそと話をしていた。 「おはよう、美月ちゃん」 「おはよう、かすみちゃん。ねぇ、なんか今日みんな変じゃない?なんかコソコソ話してて……私悪口言われてるのかな?」 「えーそれはないよー。美月ちゃんのメイド姿最高だったって、みんな言ってたくらいだし。気のせいじゃないのかな?」 「それならいいんだけど……」  
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