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「はよー」  眠そうにあくびをしながら、悠希が教室に入ってきた。 「おはよう、悠希」 「お、おはよう。本多くん」  恥ずかしそうに俯く美月。それを見て悠希は人差し指で、美月のおでこをツンと押した。 「いいかげん慣れて」 「だって……」  あれから何日も経つけど本多くんの顔を見ると、文化祭のあの時のことを思い出しちゃって。恥ずかしくて。 「……文化祭で何があったのー?美月ちゃんに聞いても、恥ずかしがって教えてくれないし」 「秘密」  そう言うと自分の席へと向かう。むーとかすみは頬を膨らませる。 「美月ちゃん。そろそろ教えて欲しいなー」 「……ご想像にお任せします」 「えー」
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