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 授業が終わり悠希は美月の元へ行くと、一緒に帰ろうと声をかける。相変わらず周りの生徒達は、二人を見てコソコソと話をする。それに気付いた悠希は、隣を歩く美月の手を握り締めた。 「ほ、本多くん!?ここ学校……」 「だからだよ。俺の彼女は水原さんだけだって、みんなに知らせとかないと」 「本多くん……」 「俺二股とかしてないから。そんな器用じゃねぇし。てか水原さんだけでいっぱいなんだわ。水原さんには信じて欲しくて」 「……大丈夫です。本多くんが二股なんて、信じてませんから」 「……俺の彼女は美月だけだから」  いま美月って……。 「やっと目が合った」 「あ……」 「次は目そらさないでよ」 「次?それって……」  顔を赤く染める美月に、悠希は嬉しそうに笑った。
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