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 美月を家まで送ると、悠希は南高校へと向かう。時間が時間なだけに部活をしている生徒達はいても、他の生徒達は帰ったようだった。 「この時間じゃいねぇか」 「誰を探してるの?」 「!?」  振り返るとそこには怜奈の姿。まるで悠希が来るのを待っていたようだった。 「……俺の彼女とか、嘘つくの止めてくんない?俺彼女いるから」 「そうなんだ……。でも私は悠希のことが、まだ忘れられなくて。好きなの」 「知らねぇよ。とにかくもう俺に関わるな」  そう言うと悠希は、来た道を戻って行った。その後ろ姿を見つめながら、怜奈は笑った。 「絶対付き合うんだから」  持っていた携帯を開くと、そこには文化祭の時に撮った悠希の写真。そしてスライドすると、そこには美月の写真があった。
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