一歩を

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 グランドに着いてみるとまだ岡村が来ていないせいか、女子生徒達は所々に固まって座り話し込んでいた。 「私達も座ろうか?」 「はい」  男子達は自分達がやりたかったのか、グランドでサッカーを始めていた。それを見ている女子生徒達から歓声があがる。 「悠希くん、格好良いー!!」 「シュート決めてー!!」  本多くんは本当に人気者なんだなぁ。だって優しいもんね。普通はあんなに毎日声かけてくれないよ。嫌な態度取ってたんだし。 「水原さんは豊中学だったよね?私と晴と悠希は同じ中学だったんだよ」 「そうなんですね」  だからあんなに仲が良いんだ。いつも三人一緒にいるし。 「池田さんは私となんて居て良いんですか?他の子といた方がいいんじゃ……?」 「いいもなにも一緒に居たい子といるよ。私は水原さんと話したかったんだぁ」  その言葉が嬉しくて、美月の顔は赤くなった。 「あ、ありがとうございます」
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