一歩を

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「水原さんは何でこの高校に入ったの?」 「私は……とくに理由はないんです。正直入れるならどこでも良かったから」 「…………」  本当は中学の人が誰も入らない高校を選ぼうと思っていた。でも通える範囲でそんな高校はなくて。それならどこに入っても同じだと思った。 「私はね、晴と悠希がここの高校に決めたから。一緒の高校が良かったんだぁ」 「そうなんですね」  もしかして好きなのかな?本多くんのこと。だから同じ高校に入りたかったとか? 「あ、二人がこっち見てる。おーい!!二人とも頑張って!!」  前を向けば晴がブンブンと笑顔で手を振っていた。汗を拭きつつこちらを見ていた悠希と目が合い、美月の心臓は大きく高鳴る。 「…………?」  最近やけに心臓がうるさい気がするのは、気のせいかな?
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