一歩を

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 その言葉を聞いて、悠希は笑った。 「まだ優勝じゃねぇわ」 「次は二人の番だね。俺ら応援してるから」  そう言って親指を立てる晴に、かすみは頑張るねと言った。 「水原さん、意気込みは?」 「が、頑張ります」  そんな四人をグランドの端から見ていたのは、2-Bのクラスの女子達だ。悠希と話す美月を睨む。 「何あれ?水原さんって誰とも話さないんじゃなかっけ?」 「なんで悠希くんとは話してんの?」 「イケメンだからじゃない?」 「悠希くんレベルじゃないと、話もしませんって?」 「性格悪っ」  一人の女子生徒が何かを思いついたように、その場にいた女子生徒達に話しかける。 「ねぇ、良いこと思いついたんだけどさ……」
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