一歩を

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 ドッジボールの2-A対2-Bの試合が始まった。美月は後ろの方にいたせいか、あまり狙われることなく試合は進んでいく。 「痛っー」  い、池田さん!!大丈夫かな……?  かすみはボールの当たった足を擦りながら、コートの外へと出て行く。ふと気が付くと2-Aで残っているのは美月だけだった。  ど、どうしよう。当たったら負けちゃう。何が何でも残らなきゃ。まずは相手に当てないといけないよね? 「水原さん、頑張って避けてね?」  そう言うと敵チームの女子が、思いっきりボールを投げた。しかしボールは美月の少し横を通り、当たることはなかった。急いでボールを追いかける美月。 「当てれるもんなら、当ててみな」  えいっ!!  美月は思いっきりボールを投げたが、力がないせいか誰にも当たることなく地面を転がった。 「何、今の?本気で投げた?」  「か弱いアピールかよ」
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