一歩を

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 その時鼻からツーッと何かが垂れてきた。手でそれを触ると、赤い血だった。  やだ、鼻血!?  美月は思わず手で鼻を覆う。それを見て敵チームの女子達は笑った。 「やばい、鼻血出してんだけど」 「あの水原さんが?恥ずかしいよねー」 「水原さん、保健室行こう……」  立ち上がりたいのに、うまく力が入らない。恥ずかしさで顔が熱い。なんでこんな目に……誰か……。  その時だ。急に腕を掴まれたかと思うと、思いっきり引き上げられ美月は立ち上がる。 「悠希」 「俺が連れてく」  そう言うと美月の腕を引っ張るように歩き始めた。片手で鼻を押さえながら、美月は必死について行った。   「何よ、あれ……」
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