高校生活

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「おはよー」 「おはよう」  桜の花びらがひらひらと舞い散る中、学校の開けられた門をくぐる。美月は今年で高校二年生になる。でも去年と何も変わらない。そう何も。 「うわ、水原さんだ。今日も綺麗ー」 「まじ美人だよな。お前話しかけて来いよ」 「バカ!!水原さんは話しかけられても何も答えてくれねぇんだよ。知らねぇのか?」 「そうそう。ひたすら無視。んで、ついたあだ名が氷姫(こおりひめ)」 「氷でもいい。溶かしてあげたい」  うるさいなぁ。やけに今日は賑やか……そっか、クラス発表だ。みんな誰と同じクラスか気になるからこんなに騒いでいるんだ。  クラスが発表されている掲示板の前には人集りが出来ていた。美月も自分のクラスを確認しようと、そこへ近づいた。 「おい、水原さんだ」 「ねぇ、ちょっと……」  気付けば美月の前から人が居なくなり、掲示板までの道が出来ていた。みんな少し離れた所から美月の様子を伺っている。 「はぁ」  ため息をつくと、美月は掲示板に向かって歩いた。
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