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「俺も見ていたのに、止められなくてごめん」
清水くんまで……。なんて優しい人達なんだろう。私のためにそんな顔をして……何も悪くなんてないのに。
「一人?四人の間違いだろ」
四人って……。
美月は目の前に居る三人を見つめた。その頼もしさに思わず涙が溢れた。
「水原さんが泣いた!?」
「え、やだぁ。ぶつけた所痛いの?大丈夫?」
心配する二人をよそに、美月はこみ上げる涙を抑えることが出来なかった。
独りじゃないんだ、私。いつの間にか私にはこの三人がいたんだ。なんて頼もしい三人なんだろう。
私のことをまるで自分のことのように思ってくれて、心配してくれる優しい人達。こんな人達に声をかけられて良かった。
人って嬉しくても涙が出るんだね。いつも悲しくて辛くて泣いてばかりだったのに。今は胸がいっぱいで仕方ないよ。
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