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「おはようございます」
「お、おはよう」
目が合う生徒全員に挨拶をすると、美月は自分の席へと座る。
「水原さんが挨拶してくれたんだけど?」
「あの氷姫が?」
ふーっと息を吐く。ざわつく教室の中、美月は昨日の出来事を思い出していた。昨日保健室で散々泣いた後、落ち着いてきた美月にかすみが提案してきた。
「みんなさ、水原さんが私達としか話さないのが気に入らないみたいなんだよね。だったらさ、みんなと話せばいいんじゃないかな?」
「みんなと……話せるかなぁ」
「まず挨拶からでいいんじゃねぇの?」
勇気を出してみんなに挨拶してみたけど、この反応はいいのか悪いのか……。
「わあ、朝から賑やかだね。てことは水原さん実行したんだ」
「おはよう、水原さん」
「おはようございます」
「水原さん、みんなに挨拶したんだね」
「はい。ただみんな返してはくれなくて……」
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