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友達って気付いたらもうなっているものなんだ。友達と呼べる子なんて、小学校二年生以来のことで。もうどうやって友達を作っていたかも覚えていない。
池田さんと友達になれたんだ。これも全部……。
「本多くん」
廊下の自販機でジュースを買っている悠希を見つけて、美月は声をかける。
「本多くん、私友達が出来ました。池田さんが友達になりました」
「良かったな」
「はい。これも全部本多くんのおかげです。ありがとうございます」
「別に俺のおかげじゃなくて、全部水原さんの頑張りだと思うけど?」
「私……頑張ってました?」
「よく頑張ってたよ」
そう言うと美月の頭を軽く二回叩いた。その瞬間なぜだか泣きそうになった。
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