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その日一日いろんな人から悠希はおめでとうと言われていた。それを見ていて美月は自分とは遠い存在なんだと思い知った。
本来なら私なんて話しかけて貰えるような人間じゃないのかも。本多くん優しいから声をかけてくれてるだけで。感謝しなきゃ。
帰りのホームルームが終わると、かすみが美月に聞いた。
「ねぇ、今から悠希の誕生日祝いするんだけど、水原さんも良かったら来ないかな?」
「私ですか?」
お祝いしたい!!あ、でもプレゼント用意していない……。
「私は……用事があるので。本多くんにおめでとうございますとお伝え下さい」
「そっかぁー。残念だけど分かったよー」
独り帰りながら、美月は思った。
今まで本多くんにたくさん助けてもらってるんだし、やっぱりお礼がしたい。何かプレゼントしたい。
それから雑貨屋やメンズの服屋など、いくつか見て回るも何をプレゼントすればいいのか分からず結局何も買えなかった。
「私……本多くんのこと何にも知らないんだなぁ」
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