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五月十九日、朝食を食べ終わると、美月は自分の部屋で携帯片手ににらめっこをしていた。ネットで高校生、男子、誕プレで何がいいのか検索していた。
「うーん。ますます分からなくなっちゃったよ」
その時インターホンの音が聞こえた。何やら話している母親の声が聞こえていたかと思うと、バタバタと階段を上がってくる音が聞こえてきた。
何?お母さん?
部屋のドアを美月が開けるより早く、母親が開けて飛び込んできた。
「男の子!!すごいカッコ良い男の子が美月のこと呼んでる!!」
「カッコ良い男の子って……まさか?」
急いで階段を降りると、玄関に立っていたのは悠希だった。驚く美月をよそにいつもと変わらない無表情の悠希は言った。
「買い物付き合って」
「買い物ですか?え、私?」
なんで私なんだろう?そう思ったのが分かったのか、悠希は言葉を続けた。
「晴もかすみも用事があるから」
「なるほど、それで私……」
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