誕生日

4/12
前へ
/316ページ
次へ
 五月十九日、朝食を食べ終わると、美月は自分の部屋で携帯片手ににらめっこをしていた。ネットで高校生、男子、誕プレで何がいいのか検索していた。 「うーん。ますます分からなくなっちゃったよ」  その時インターホンの音が聞こえた。何やら話している母親の声が聞こえていたかと思うと、バタバタと階段を上がってくる音が聞こえてきた。  何?お母さん?  部屋のドアを美月が開けるより早く、母親が開けて飛び込んできた。 「男の子!!すごいカッコ良い男の子が美月のこと呼んでる!!」 「カッコ良い男の子って……まさか?」  急いで階段を降りると、玄関に立っていたのは悠希だった。驚く美月をよそにいつもと変わらない無表情の悠希は言った。 「買い物付き合って」 「買い物ですか?え、私?」  なんで私なんだろう?そう思ったのが分かったのか、悠希は言葉を続けた。 「晴もかすみも用事があるから」 「なるほど、それで私……」
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加