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それでなんで私なんだろう?他にもお友達たくさんいるのに。私と本多くんって友達だっけ?あれ……?どういう関係なんだろう?ただのクラスメイトよりは仲良いと勝手に思っていたけれど、私だけかもしれないし。
「上がって貰う?」
横から母親がそう言うが、大丈夫ですと断る悠希。
「ちょ、ちょっと待ってて下さい!!」
美月は急いで階段を上がると、全身の映る鏡で服装を確認する。白の大きめのTシャツに黒のロングスカート。髪の毛を手櫛で整えると、バッグを持つ。
玄関では美月を待っている悠希の視界に、リビングのドアの隙間からこちらを覗いている人が見えた。
「こんにちは」
「!?」
その人物は驚いたように、ヒュッと隠れた。
「お待たせしました」
「行こうか」
「はい。じゃあ、行ってきます」
バタンと閉まったドアを見て、母親は息を漏らした。
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