誕生日

11/12
前へ
/316ページ
次へ
「でも、どうして私に……?好きな子へのプレゼントを探してたんじゃ……?」 「今日は初めから水原さんへのプレゼントを探してたんだ。誕生日おめでとう」 「本多くん……知っていたんですか?」  悠希は小さく笑う。  私の誕生日なんて誰も知らないと思っていた。だって誰も私に興味なんてないから。家族以外でおめでとうって言われたの、いつ以来だろう……。ドキドキする。胸がいっぱいで言葉が出てこない……。 「そういえば俺貰ってない。誕生日プレゼント」 「あ、すみません。あげようと思ったんですけど、何がいいのか分からなくて」 「携帯貸して?」  首を傾げつつ美月は携帯を悠希へと渡す。悠希は美月の携帯をいじったかと思うと、はいと手渡した。 「?」
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加