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「じゃあまた」
「えっ?本多くん?」
そう言って悠希は、歩いて行った。
誕生日プレゼントは、どうなったんだろう?私、何もあげていないのに。
そう思っていた時、突然携帯が鳴った。画面を見ると、本多悠希と表示されていた。悠希の歩いて行った方を見るが、もう姿はなかった。
「も、もしもし?」
「それ俺の番号。LINEも登録しといたから。水原さんの番号も、俺の携帯に登録した」
「あの……誕生日プレゼントの件は?」
「もう貰った」
「え?」
「水原さんの連絡先。誕生日プレゼントはこれがいい」
耳元に聞こえる悠希の声、美月の鼓動は早まっていく。誕生日プレゼント、私の連絡先でいいの?
「そ、そんなのでいいんですか?」
「いい。これが欲しかったから」
電話を切った後も美月の心臓はずっとドキドキしていた。沈みかけている夕日が眩しくて、美月はなんだか胸がいっぱいになった。
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