友達じゃない

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「本当にカッコ良い子だったのよー。お母さんびっくりしちゃったわ」  今日の夕食のメニューはちらし寿司だ。子供の頃誕生日にちらし寿司が出た時、ピンクのでんぶが甘くて美味しくて。喜んだことから美月の誕生日はちらし寿司が決まりのようになった。 「……まあ美月も男の子と遊ぶ歳になったんだなぁ」 「もしかして彼氏なんじゃないの?」 「ち、違うよ。ただクラスが同じで」 「でもただのクラスメイトが、わざわざ家にまで誘いに来るかしら?」  嬉しそうに笑う母親に、美月は恥ずかしそうに顔を赤くする。 「…………」 「でも本当に凄いよね、お姉ちゃんは。あんなにカッコ良い人と友達なんてさ」 「陽菜まで……」  ん?私と本多くんって友達なのかな?池田さんは仲良くなって気付いたら、もう友達になっているって言っていた。私と本多くん前よりは仲良くなれてると思うけど、じゃあもう友達なのかな? 「さあ、ケーキ食べましょう。美月、お誕生日おめでとう」 「ありがとう」  そう言うと、ろうそくの火を吹き消した。
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