友達じゃない

3/15
前へ
/316ページ
次へ
「友達じゃねぇよ」  昼休み飲み物を買うため財布片手に教室を出た所、聞こえてきた悠希の声に近づくとそう聞こえてきた。  誰かと話してる?なんか深刻な話みたい……。聞いちゃダメだよね。静かに立ち去ろうとした時だ。 「本当に水原さんとは、友達じゃないんだね?」  ……私? 「良かったぁ。最近二人話してるから気になっちゃって」  友達じゃないって私のこと?ダメだ、離れなきゃ……。  美月は急いで、その場から逃げるように走り出した。 「じゃあもちろん好きじゃないんだね」 「……それあんたに関係ある?」  走って自販機の所に着くと、肩で息をする。なんとか息を整えると、財布から小銭を取り出し自販機へと入れた。ガコッと飲み物が出てきた音が聞こえる。
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加