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私と本多くんって友達じゃなかったんだ。仲良くなれたと思ってたのも、私だけだったんだなぁ。やだ、なんか泣きそうだ。だって本多くんはいつも私に必要な言葉をくれた。
変わるきっかけをくれた。なんとなくだけど応援してくれてるって思ってたし、二人で出かけて楽しくて……。そんな男の子初めてだから。
でもそうだよね。本多くんは人気者で友達も多いから。わざわざ私と友達になんてならなくても困らないもんね。でも何でかな?すごくショックなのは……。
「コーヒー飲めるの?それもブラック」
「え……?あれ、本多くん?」
いつの間にここに?コーヒーブラック?
「私が買ったのはレモンティーだけど?」
悠希の手にはブラックコーヒーの缶、自販機から取り出したようだった。
「俺が飲むわ」
そう言うと財布から小銭を取り出し自販機へと入れると、レモンティーのボタンを押した。出てきたレモンティーの紙パックを美月へ渡す。
「ありがとう」
俯く美月に、悠希は言った。
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