友達じゃない

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 ここがカラオケ……。凄い、想像していたよりも部屋が綺麗だ。それに広い。黒いソファが二つL字に並び、真ん中にはテーブル。大きなテレビ画面からは、最新曲が流れていた。 「なんか頼もうー。水原さん何食べたい?」 「料理もあるんですか?すごい……豊富」 「みんなでつまめるような、唐揚げとポテトのセットとかいいね」 「飲み物決まった?注文するよー」  電話で注文するんだ。で、店員さんが持ってきてくれるんだね。 「この機械で曲を入れるんだよ」 「凄いですね。なんかいろいろあって……」  かすみに使い方を教わっている美月を、ソファにもたれていた悠希はただ眺めていた。 「悠希あれ歌ってよ」 「あれとは?」 「最近ネットで人気が出た歌でね?男目線の失恋の歌なんだけどすごくいいのー。こんな風に想われたいみたいな?」 「悠希歌上手いんだよ」 「上手そうですよね」
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