友達じゃない

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「別に普通だろ」 「いやいや、上手いから」 「曲入れたよー」  流れてくるイントロに、美月は聞いたことがある曲だと思った。そして歌い出した悠希の上手さに驚いた。 「ね?上手いでしょ?」 「はい……とても」  初めて聞く悠希の歌声、初めてちゃんと見た失恋の歌詞に、美月の心臓はどんどん早まっていく。  やだ、またドキドキしてる。何なの?一体?本多くんの声が凄く素敵で、歌詞が心にしみる。  失恋なんてしたことないけれど、こんな風に男の子に想われたら幸せだろうな。そう思った。  悠希が歌い終わると、三人は拍手した。 「あー緊張した」 「本多くんでも緊張するんですか?」 「するわ」
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