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「だから止めとけって言ったのに」
「クソっ。あんなに無視しなくてもいいじゃんか」
「水原さんは誰とも話さない。笑わない。ついたあだ名が氷姫だって知らなかったのかよー」
男子生徒が井上を慰めるように、肩を叩く。
「氷のように綺麗な姫かと思ってた」
「まあ、それもありそうだけど」
そんなことを話していた時だ。教室のドアの近くに居た女子生徒が歓喜の声を上げた。
「何だ?」
教室へ入ってきたのは、悠希達だ。悠希の姿を見て女子生徒達の目の色が変わる。
「やだ、やだ嘘でしょ?同じクラスなんて」
「信じられない!!悠希くんと一年も同じクラスで過ごせるなんて」
「……騒がしいクラス」
「いや、騒がしてんの悠希だけどな」
三人は黒板に貼ってある席表を確認する。
「うわ、悠希一番前だ。かすみも窓際だしみんなバラバラだなぁ」
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