75人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー水原さん、普通に上手いと思う」
「そんなお世辞は大丈夫です」
「いや、俺が言うのもあれだけど、音程合ってるし」
「そりゃ晴よりはな」
それを聞いてかすみが笑う。晴は冷たいと言って頬を膨らませた。
本当に仲良しなんだなぁ、この三人は。同じ中学だって言ってたもんね。いいなぁ、私も仲間に入りたいなぁ。気を遣って誘われるんじゃなく、当たり前のようにそこに居られるようになりたいなんて、ちょっとワガママな願いかな。
「うーん、歌った、歌った」
「水原さん、楽しめた?」
そう聞く晴に、はいと返事をした。ではと帰ろうとすると、悠希に腕を掴まれる。
「行くぞ」
「え、あの……?」
「ばいばーい!!また明日ね」
そう言って、かすみと晴は手を振った。
最初のコメントを投稿しよう!