友達じゃない

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「送ってくれるんですか?」  何も言わない悠希に、美月は黙って隣を歩いた。ふと上を見上げると月が出ていた。 「月が綺麗」 「ああ……」  そういえば学校での噂を本多くんはどう思っているんだろう?明日もまだ騒がれるかもしれない。みんなに本当のことを話した方がいいのかな? 「あの、本多くん。今日私達のことでみんなが噂してましたけど」 「してたな」   「やっぱり訂正した方がいいですよね?本多くんも誤解されて困る人がいるんじゃないですか?」  その言葉に悠希は立ち止まると、美月の目を真っ直ぐ見つめる。 「別に誤解されて、困ることなんてねぇよ」 「それはつまり……?」  私と付き合ってることになっていても、別にいいって意味ですか?なんて、まさかね?きっと誤解を解きたい人にはちゃんと話すんだろう、うん。  そうだよ。晴くんには付き合ってないってちゃんと話してたんだし、誤解を解きたい人にはちゃんと話すんだ。でもなんて?私とはただの友達だって? 『友達じゃねぇよ』  私達友達じゃなかったんだった。じゃあ何だろう?私と本多くんの関係は。ただのクラスメイト?こうして一緒に遊んで帰っているのに?
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