知りたい気持ち

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 どれくらいの時間が過ぎたか、美月はしおりを挟んで本を閉じると、大きく伸びをした。そして前を向いて驚いた。 「ほ、本多くん!?なんでここに!?」  思わず出た大きな声に、慌てて口を押さえる美月。 「い、いつからそこに居たんですか?」 「水原さんが本を読み始めた頃からかな」 「それからずっと?なんで声をかけてくれないんですか?」 「集中してたみたいだから」 「そこで何してたんですか?」 「水原さんを見てた」 「えっ!?」  なんで?どうして?あ、声をかけるタイミングをはかっていたとか?それなら気にせず声をかけてくれればいいのに!! 「何の本読んでたの?」 「……ファンタジー小説です。ファンタジーなんですけど、すごく奥深い小説なんです。高校生の真面目な女の子が、突然異世界に連れて行かれて……」
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