75人が本棚に入れています
本棚に追加
/316ページ
悠希はくるりと体の向きを変えると、教室の真ん中で本を読んでいる美月を見つけた。
「本当に同じクラスだ」
「ん?誰のこと?」
「席行くわ」
そう言うと悠希は自分の机へと向かった。しばらくするとチャイムが鳴り、担任の教師が教室のドアを開け入ってきた。
「今日からこのクラスを担任することになった岡村だ。一年の時から知ってる奴もいると思うが、よろしくな。まあとりあえず自己紹介でもしてくか?」
「えーやだぁ」
「先生今時それはやらないでしょ?」
飛んでくるブーイングの嵐に、岡村は少し恥ずかしそうに大きな声で言った。
「うるさい!!俺のクラスでは毎回やることになってんだよ!!ほら、男子の……相田からな」
「えー」
名指しされた相田は仕方なく立ち上がると、自己紹介を始めた。
「相田進です。南中学出身で、えーと野球部に入ってます」
最初のコメントを投稿しよう!