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ゆっくり顔を離すと、少し自分より高い目線に顔を上げる。
「俺、水原さんにしか優しくしねぇから」
「そ、それはどういう……?」
次の瞬間左頬を、キュッとつままれた。
「そのままの意味」
そう言った悠希の耳は、とても赤く染まっていた。沈み欠けている夕日が二人を照らしている。
本多くん耳が真っ赤だ。夕陽のせい?それよりそのままの意味って……。私にだけ優しくしてくれるってこと?
カーッと顔が一気に熱くなった。熱を帯びたのが分かったのか、頬から手を離すと歩き始める悠希。
「あの……私にだけ優しくしてくれるのは、何でですか?」
「聞くなよ」
「だってさっきとにかく話すって……」
「何でも話せばいいわけじゃない」
「ええー。矛盾してますよ?それ」
「知るか」
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