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 チョコの準備は万端。  しかし問題はいつ福山さんに声を掛けるかだろう。先程からひっきりなしに女性社員が義理チョコを渡しに来ていて仕事さえままならない様子に私は「仕事お手伝いましょうか?」と声を掛けていた。 「ありがとう、助かるよ」  簡単に指示を受け手伝うこと一時間。 「岩見さん出来た?」 「はい」 「見せて。……サンキュ、助かった。じゃあ商談に行って来るね」 「いってらっしゃい」  いってきますと福山さんは白い歯を見せて出て行った。爽やかな笑顔に無防備な胸がときめく。 「渡したの?」 「うわっ、沙羅」 「言ったの?」 「まだ」 「今がチャンスだよ、会社出る前に告っておいで」  沙羅が私の背中をぱしんと叩く。 「うん。玉砕してくる!」 「ガンバ!」  私はチョコを持ち福山さんの背中を追い掛けた。  
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