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「生きがい、ほしくない?」
深夜0時、そろそろ寝ようとしたところにスマホが光る。画面に現れた文字がこれだ。林田拓真はLINE画面を開く。中学時代の友人である片岡豪だった。豪とは高校は別だが、今でも仲がよく、拓真宛にしょっちゅう変なメッセージを送ってくる。
「なにそれ」
「即レスw 寝てるかと思ったわ」
「なら送ってくんな!」
寝ようとしたところを邪魔されて不機嫌だとアピールするため、「笑」はつけなかった。
「まあまあ。起きてたんだからいいじゃんw」
豪は拓真の気持ちが読み取れなかったのか、それともあえて無視しているのかはわからないが、いつもの調子で返してくる。
名前の通りタフなやつだぜ。マイペースすぎ。拓真はため息をついた。
「で? 何の用だよ」
「さっき送ったじゃん」
「生きがいってやつ?」
「そうそう」
「なんなの、それ」
「オンライン女子大生」
「は?」
話が通じない。受験勉強のストレスで、ついに頭がいかれちまったか、と拓真は思う。
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