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わかっちゃいたけど、振り返った先には姉がいた。
コレも近くの大学に通っている学生なのだ。公立だけどちゃっかり推薦で進学しちゃって、それ以降ベンキョーもろくにせずサークルなんか入ってチャラチャラ遊んでいる学生。
今日は講義が終わっても、どこにもサークルにも寄らず帰ってきたんだろうな。夕方五時に姉が家に戻るなんて、めずらしいから。
「どうしたの?」
あたしに一応の心配をみせたあと。
姉の視線はひょいと、玄関前にいるひとに向かう。
とたん、わかりやすいくらいに目の色が変わっていた。
んまあ、ねえ?
お姿がいいもんね、こちらの方。
あ。それか。
姉とおんなじ大学で知ってる人だったとか。
それで態度変えちゃった、とかかもしれないな。
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