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部員たちはかなり不満げな様子で愚痴をこぼし合う。気持ちはわかるがよくがんばったし、結果も残せたのだから愚痴を言うほどのことではないと思うが、あえて黙っていた。
一位だけが上の大会に進める中、実質二位の特別賞だった。一時間以内という規定があるのに、一時間三分と時間を三分もオーバーしたのが原因の一つだった。三分オーバーしても特別賞をもらえただけよかったと思うが、部員たちの不満は止まらない。
「練習では何回やっても五十五分だったのに、本番で一時間三分っていつもより八分も時間かかってるんですよ?どういうことですか!」
「そういうこともあるでしょうよ」
「八分も!?」
「みんなが緊張してセリフの間を取りすぎたとか、暗転に時間がかかったとか、その他もろもろ理由はあると思うよ」
瑞貴が穏やかにみなをなだめる。
最後の大会となった三年生よりむしろ二年生の方が興奮していたので、よほど三年生を全国に連れていってあげたかったんだろうな、という気持ちはしかと受け止めた。先輩思いな後輩たちだった。
三年生は三年生で悔しそうだったが、仕方ないと割り切っているようだった。
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