冷たい家族

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その後は近くのスーパーへ買い物へ出かける。 歩きながら夕飯を考えることが多い。 今日はステーキにしようかしら。 知り合いの奥さんが向こうから歩いてきた。 「こんにちは」 「こ、こんにちは。西井さんお買い物に行かれるの?」 「ええ。今日はステーキにしようと思っていて」 「そーなの。いいわね」 「うちの旦那、昇進したんですよ。なんで、奮発して良いお肉買おうと思っていて」 「···い···いいわね。羨ましい·······」 「そういえば、優くんは学校とかどう?」 「えっ、えー、うちの子は勉強は全然で」 「あら、そうなの。うちの子は毎日勉強して、最近も学年トップだったわ。もし良かったら、隼人が昔使ってた本とかいります?」 「あっ、わ、私、ちょっと急いでるので」 ペコリと頭を下げてそそくさと行ってしまった。 せっかく隼人みたいに頭良くなれるのチャンスなのに。 スーパーに向かって足を進める。
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