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 ある日の昼休み。  中学のクラスの男子二名(浜田と沖田)と友達の佳代子が昔からこの町に伝わる、氷の世界の伝説について話し合っていた。  氷の世界の伝説とは五百年前ぐらい前にこの町の当時の住民がどこかにあるという道を通ってその氷の世界に行ったことからそんな名前がついたのだった。  そして、そこには氷の化け物がいる。  その時の住人もその化け物に氷漬けにされて生気を吸い取られたらしいとか。  それがこの町に伝わる伝説である。 「氷の世界か…。いったいどんな所なんだろうね」  佳代子が口に手を当ててそう言うと、浜田がいきなりその氷の世界への入り口を発見したという。  その入り口とやらは、町はずれの廃屋の地下にある道を通っていくと。氷の扉があったと言ったのだ。  亜咲は「え? 嘘でしょ?」というと周囲の三人は怖がる亜咲を馬鹿にするようにからかう。  強がりな、性格であった、亜咲は三人に怖くないと強がりを言うと、 「じゃあ今日の放課後、みんなでそこに行ってみようよ。私怖くないし!」 「ははは。強がるなよ! 怖いなら怖いってはっきり言えよ」  沖田が面白がってそんなことを言いだした。  強がった手前、断れなくなった亜咲はその場所に行くという提案に素直に乗る破目になったのだ。  その話の流れから、その日の晩、亜咲達は件の場所に向かった。
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