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 場所は深夜の廃墟の建物。  もちろん町はずれにある廃屋なので人の気配など皆無である。  中学のクラスの面々と例の氷の世界に繋がる入り口とやらを調べることになった亜咲は、深夜にクラスの三名と集まって廃墟の建物に来ていた。  建物は木造家屋で、何年も人が住んでいなかったためか、外からでも中を覗くことができるほど、朽ち果てていた。  四人は玄関から中に入り、台所であった場所まで足を運ぶと、 「ここだよ! ここ!」と床に向かって浜田が指を指したのだ。 「どこ?」 佳代子が持ってきていた懐中電灯で床を照らすが、そこには地下に繋がるような道らしきものは見当たらなかった。 「本当にここなんでしょうね?」  怒る佳代子が浜田を睨む。 「あれ? 見当たらないな…」 「おいおい! 俺達はお前が見たって言うから今日ここに来たんだぞ?」  沖田は呆れるように言い、 「それなら二手に分かれてその道を探そうぜ? 浜田の見間違えで、場所を間違っているだけかもしれないだろ?」 「そうね。そうしましょう」  と、佳代子がため息混じりに言ったあと、亜咲はなぜか安堵していた。  それは言わずもがな、そんな道が見つからなくてよかったと思っていたからだろう。
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