私とあなたの物語

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私とあなたの物語

兵庫県神戸市。 山と海に囲まれ田舎すぎず、都会すぎず。 電車やバスが多く走り何不自由ない街。 私はここで生まれ育った。 そして君と出会った。 ー出会いまでー 「すみません」 大きな駅前で私に声を掛けてきたのは見るからにチャラそうというか…オシャレっぽく見せているのか…背は低め、似たり寄ったりの2人組の男達が立ちはだかっていた。 「はいはい、キャッチね。夜の仕事に興味はないですか?…でしょ。」 なんて思っていたのかどうかは覚えていない。 だってもう10年以上も前の事だから。 2人組の1人が話し出す。 「美容師なんですけど、今、モデルを探していて…」 私ではないだろう…背は低いしボディラインは細いとも言えない。 肌は自慢できる程キレイではない。肌だけではないが…。 隣にはナゼ私と友達…いや、親友でいてくれるのかわからない程のかわい子ちゃんがいる。 背は私と同じ153センチ。 顔がめちゃくちゃ小さくて、顔の半分が目じゃないかと思うくらい目の大きさハンパない子。 色も白くてオシャレで誰が見ても振り返るほどのかわい子ちゃん。 その子と歩いているだけでナンパもされるし優越感に浸る自分がいる。 --その年、私は高校卒業後からバイトしていた雑貨屋を辞め、カフェバイトの面接に行った帰りだった。 そのかわい子ちゃん…名は「ユリちゃん」は雑貨屋で働いてと時に仲良くなった子。 ユカちゃんはまだ雑貨屋で働いている。 私のバイトの面接が終わった時間と彼女の休憩の時間が合ったので、近所のミスドでお茶をし、彼女の休憩時間が終わるので仕事場に戻る途中だった。 三ノ宮の駅前 大きな信号を渡るとJR.阪神電車.阪急電車.地下鉄に繋がっている。 平日.休日関係なく多くの人々が行き交う中心部。 その日も平日の月曜日。14時過ぎ。 青になった瞬間急いで信号を渡るビジネスマン、友達とダラダラ喋りながら渡る女子高生達、耳はもちろん目や鼻や口にこれでもかとピアスを付けている半分黒髪半分金髪の一見男か女かわからないロン毛のティッシュ配り。 こんな光景は日常茶飯事。 「美容師なんですが、メイクのモデルを探していて…」 2人組の男達はユリちゃんではなく、私を見て話している。 「え…⁇うち⁇」 「じゃあ、私仕事戻るから!」 ユリちゃんはそう言うと手を振りながら地下街に繋がる右側のエスカレーターを下りて行った。 人混みに紛れユリちゃんの姿はすぐ見えなくなってしまった。 1人残された私は自称美容師の男2人組の話を聞く事になる。 今日の予定はカフェの面接以外何もなく、ユリちゃんとお茶した後はいつものようにブラブラウィンドウショッピングをして帰るだけ。 時間はいくらでもあった。
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