嫌な予感

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嫌な予感

 仕事を早めに切り上げて、今日も彼のもとへと急ぐ。  札幌の冬は日が短い。 彼と出会った時のような鉛色の薄暗い曇天の中、私はぬかるんだ道を急いでいた。   「えっ?」  立ち入り禁止のトラ柵に胸が跳ねる。 昨日まではこんなものなかったはずだ。  堪らずトラ柵を乗り越えて彼のもとへと走っていた私は、目の前の惨状に思わず足を止めた。
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