一マス進む

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「ありがとうございます。  皆様とても心強いです。  では、これから私共の会社とお客様、皆様との契約や、  お客様宅に向かう皆様への注意点などに関する映像をご覧いただきます。  ご質問は後ほど伺いますのでマイクはオフにしたままでご覧ください。  なかおさん、マイクをオフにお願いします。  はい、では15分ほどありますのでそのままご覧ください。」 内容は、お客様と私たちが契約をし、 会社側はあくまで顧客と働きたい人をアプリ上でつなぎ、サポートする、 というような内容だった。 他にも、お客様宅に行った際の注意点や、身だしなみについて、 サポートセンターの案内、簡単なアプリの使い方だった。 多分、携帯操作に慣れていなければ、 いまいちわからないであろう内容だった。 映像が終わると再び笑顔の久保さん。 「皆様大体の仕組みをご理解いただけましたでしょうか。  何か質問などございましたら挙手をお願い致します。  なかおさんどうぞ。あ、マイクをオンにされてくださいね。」 動画で説明された内容の繰り返しのような質問と回答のやり取りが 数回繰り返されただけだった。 「江野さんはよろしかったでしょうか?」 「あ、はい。大丈夫だと思います。」 どうせやってみなきゃわからないし 今聞いたところで始めるころには忘れている。 「では、質問がないようでしたらこれで面接を終了いたします。  この後、面接に合格された方のみに銀行口座登録、  アプリ登録のご連絡をさせていただきますので  2、3日中にこちらから連絡がなかった場合は、  今回はご縁がなかったということでご了承ください。  本日は皆様ありがとうございました。  これで終了とさせていただきます。失礼いたします。」 くぼさんが失礼するよりも早く話の途中で なかおさんは落ちていた。
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