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片づけて帰ろうとしていると 「失礼します。」 とくぼさんが入ってきた。 「面接どうでしたか?緊張されたんじゃないですか?」 と満面の笑みで聞いてきた。 「そうですね。緊張しました。皆さんご家庭での経験が豊富で  私はお家での調理というのは慣れていないので心配です。」 半分本音だった。 「大丈夫ですよ。  お店で作るよりはとても簡単ですしお客様もクオリティよりも量。  という方も多いので。」 そんなものか、なんて思いながら 「そうだといいんですが。」 と、接客業で鍛えた営業スマイルで返した。 「あと、江野さんは合格ですのでこれからお時間ありましたら  一緒に登録までして帰られませんか?  ちょっとわかりにくいこともあるかと思いますので。」 「え、もう結果が出るんですか。すごくありがたいですが…」 きっと登録がよくわからずに 合格してもそのままになりそうな気がしていた。 「もちろんです。  本日、身分証明書と銀行口座がわかるものなどお持ちですか?  そちらがあればこのまま登録可能です。」 「あります。持ってきています。」 案内のメールに書いてあったので、当日に使うのか疑問だったが持ってきていた。 確かにその場で質問しながら登録したほうが早かった。 くぼさんが丁寧に教えてくれたので 15分ほどで全ての登録を終えることが出来た。
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