君がいらないと言った未来に

二回休み

そこを辞め、先輩に誘われた店で店長として働いてしばらくした頃、
お店に来ていた飲食を展開する会社の取締役にスカウトされ、
料理長になることが決まっていた。のだが。

「前職の話は片付いたの？」

「あー…あれね、もういらないって言っちゃた。」

「はあああぁぁぁ！？馬鹿じゃないの！！！？」

そういう反応をすると思って自分からは話さなかった。

料理長になることが決まり入社して数か月後、
スカウトしてくれた取締役と社長とが揉めたらしく
どういうわけだか飲食事業のみんなでやめる、という話になった。
しかもその時に

「これは会社都合だから」

と聞かされていたにもかかわらず人事部から渡されたのは
［退職願い］
瞬間的に反論すると、そう聞いている、と。

訳が分からず取締役に問い詰めると
会社側としてはそうするしかないからお金は取締役が個人で払う、
という話だった。
しかも私自身に関しては引っ越しまでしてしまったので
そのお金まで補償するということで話が進んでいたのだが。