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しかしその手術で、医療事故が起きて、彩花は死んでしまった。
不幸中の幸いだったのは、麻酔中に亡くなったから、彩花は苦しまずに逝ったこと。
でも、それだけだ。
妊娠させたこともバレたし、勝手に手術したこともバレた。
向こうの親からは訴えられるし、親からは勘当されるし…
「まったくよ…何回か遊んでやっただけなのによ。マジになりやがってあの女…」
本命の女の胸に抱かれながら、俺は愚痴っていた。
「ふうん…アンタ、それで悪い男気取ってるつもりなの?」
女はブラジャーをしながら立ちあがった。
「な、なんだよ…だって、本当のことだろ?」
「本当のことだろうとなんだろうと、亡くなった人のこと、そういう風に言うなんて、最低ね」
パンティーを履くと、女はワンピースを被って、さっさっと部屋を出て行った。
「な、なんだよお…」
ドアが開いて、手だけ見えた。
俺が誕生日にプレゼントしたリングが飛んできて、それきり本命の彼女とは終わった。
「ちぇ…なんだよ…どいつもコイツも…」
大学はなんとか親の温情で行かせて貰うことになったが、生活費がない。
だからいつも終電間際までバイトしてた。
それだけの日々…
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