*** 体験宿泊 4 side 紫朗 ***

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テンションがちょっと上がっちゃって「くふふ♪」ってちっちゃく笑うと、思いがけず葉ちゃんの腕を更にギュッとしてしまった。 すると葉ちゃんは後ろからギューって抱き締めてきた。 「あは♪なに、紫朗楽しいの~? 可愛い~♪」 ひょわ……! ぇ、ちょ、待って……!! イイ匂いーーーーーーっ!! チクショーーーーーー!! ときめいちゃうってーーーーーー!! 「ちなみにさっきの『琥珀婚』ですが、琥珀を贈る事による『幸せを贈る』というその意味をもって、『積年の愛の花が開く』とされています」 「それまで積み重ねてきた相手への愛情を花に見立て、更にはソレが大きく花開く……何と素敵な表現でしょうか……っ!! 」 俺が恥ずかしさでアワアワしている事には気付いていないっぽい想ちゃんと釉ちゃんは、探偵テンションが気に入ったのかその口調のまま話しを続けてる。 てゆーか想ちゃんも釉ちゃんも博識じゃん。 さっすが~♪ 「ふんふん♪そんで? 」 「ソレと『TOP OF THE 亜朗オタク』の俺らが亜朗から溢れ出てる『カッコいい』を感じ取れない事にどんな関係があんの? 」 「「「「「「ッッ!?!?? 」」」」」」 え? ト、トップ オブ……なに……? 俺と葉ちゃんに影がかかり、背後からちょっと謎のワードが聞こえた。 ついでに俺と向かい合う形になってる琉架達がワナワナしてるのが見える。 「「「「「ママ、マ……っ!? 」」」」」 「ヤダなぁ♪俺ら、キミらの『ママ』じゃないよ~? 」 「どっちかっつーと『ママ』はシュナヨリの方だな♪」 「「「「「「マコシューーーーッッ!?!?? 」」」」」」 琉架達の叫びで誰が来たのか分かった。 なるほどね。真くんと朱羽くんね。 うん。そうだったっけ、この2人『TOP OF THE 亜朗オタク』なんだっけ。 千尋から聞いてたわ。「ちょっと変態っぽいね」って千尋に言っちゃって、千尋が「ぃや事実変態なんだよ」ってゆー会話をしたのは実は2人の秘密だったりする。うん。 グイ、と顔を上げると、下から見てもイケメンだって分かる真くんと朱羽くんがいた。 2人はくっついてる俺と葉ちゃんにすぐに視線を移すと、「ハロー♪紫朗元気~? 」ってこの距離でニコッと笑って手を振る。 とりあえず「元気~♪」って俺も手を振り返した。 その後はちょっとだけ琉架達とマコシューくんの交流みたいので何か盛り上がって。 やっぱ皆マコシューくんの事知ってるみたいで、中には大ファンだから皐月受験するって決めたって奴もいたり。 で、朱那くんと頼くんが「イキナリ出て来んな」とか「ホント神出鬼没すぎてもはや人じゃねぇな」とか。 『亜朗のいる所、亜朗の話題のある所に俺ら在り』とかいう発言をしたマコシューくんに本気のトーンで「マジ気持ち悪ぃ……」って言った朱那くんと頼くん。 そのあまりの本気すぎる声のトーンに真くんと朱羽くんは「そんな言い方しないで~? 」って嘘泣き。 けど、ソレに対しても「嘘泣きキモ……」ってそっぽを向いた2人にマコシューくんは「ヒドーい! 紫朗はそんな事言わなーい! 」って言って葉ちゃんごと俺を抱き締めてきた。 …………こ、ここの2つの兄弟はあんまり仲良くないのかな……? 「つまり、亜朗が俺らに向ける視線って『お兄ちゃん』ぽさがあるんですよ! 」 「そー♪特に今日の亜朗は『先輩として』って張り切ってたし、だから『お兄ちゃん』ぽさが増してたんじゃないかなー♪」 「ぁ、確かに亜朗先輩に話しかけられた時、スゴいきっちりしてる人だなって思いました」 「俺も喋り方スゴく丁寧で所作とかもスゴい綺麗だし、それで俺、『見た目はスゲー可愛いのに何かカッコいい人だなー』って思ったんだった! 」 俺と葉ちゃんの言葉に、参加者達から亜朗を『カッコいい』と思った時の話しが出てくる。
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