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生徒会メンバーは他の生徒達とは別に、縦に長い講堂の側面の方に教員達と共にいるのだが、高速で頷いているレジーとイーサンの様子を見た葉が「……ノリ先輩、会ったことあるんだね〜……」と呟くように言うと、隣に座っていた朱那が「まぁノリ先輩だし? 」と何故かドヤ顔をする。
生徒会メンバー、他の生徒達、どちらもザワつきが大きくなったのを見た大地は『仕方ないなぁ♪』とでも言うように優しく微笑む。
そしてマイクを通しこの少し大きくなった喧騒を静めようとして『はいはい♪ちょっと静かにねー♪』と声を上げたその時────────────
バン……ッ!! ――――――――――――
と、突然講堂のドアが勢い良く開かれ、
「はいみんな〜♪サプラ〜イズ♪」
と、1人の男が姿を現した。
一瞬でシン、となった講堂内に大地の呆れた声がよく通る。
『社長……なに生徒達驚かせてるんですか……』
そう。今勢い良く現れたのはこの皐月学園の経営者である鷹取 喬二その人だった。
知ってる人物だったことに、生徒達からはホッとしたような溜め息が漏れる。
ドアを開け放したまま、喬二はその場でニコニコ。
その様子を若干不審に思いながらも、動かない喬二に大地は再び声をかける。
『社長、一体何が『サプライズ』なんですか? ご自分の登場がですか? だとしたら大成功で─────────』
「わははははは♪違うよ大地♪僕の登場が、じゃないよ♪」
『じゃあ何なんで──────────』
その大地の声を遮り、喬二は楽しそうに大きな声でこう言った。
「皆お待ちかねのアーサーくんとセオドアくんだよーーーーーーー!! 」
は?
と、大地や生徒達は勿論、教員達も一瞬喬二が何を言っているのか分からない、という顔をする。
しかしそんな呆けた顔の全員の視線の先に、カツカツと革靴から凛とした音を立てて2人の男が喬二の後ろから現れると、講堂内から僅かな喧騒と共にどこからか「ヒュ……ッ! 」と息を飲む音が聞こえた。
ホライゾンブルーの生地にクリームイエローの糸で上品な刺繍が施されたスーツを着こなす、アンバーカラーのやや長さのある髪の毛、優しげに整った風貌の中に力強い意思を宿したブルーの瞳の男。
ローズグレーの生地にオールドローズの糸で美しくも儚げな薔薇の刺繍が施されたスーツを着こなす、こちらもアンバーカラーのややすっきりとした長さの髪の毛、凛々しく整った風貌の中にとろけるような甘さを秘めたブルーの瞳の男。
誰がどう見てもイケメンだと認めるであろう姿の2人は、洗練された所作で一つ会釈をしてから喬二に先導され講堂内に足を踏み入れる。
自信に満ちていることが分かる堂々とした動きではあるが、生徒会メンバーがいるのとは逆の講堂の横側からゆっくりと歩みを進める。
あまりの存在感に圧倒され言葉を失っていた生徒達だが、大地が『え!? アーサーくんとセオドアくん!? 』と叫んだ事でハッと現実に引き戻されると同時に一気にザワザワとした喧騒が起こる。
「ぇ、え……!? あの人がアーサーさんとセオドアさん……っ!? 」
「ヤベ……! オーラヤベェって……!! 」
「つかマジでくっそイケメン……! 」
「あんなスーツ着こなせんのは本物のイケメンだろ……! 」
そんなやや語彙力のない喧騒のから、飛び跳ねるように数人の生徒が椅子から立ち上がると、アーサーとセオドアの歩く先に、行く手を遮らないように進行方向と平行にズラリと横一列に並ぶ。
左手をお腹、右手を後ろに回し頭を下げ敬意を表す礼をする。
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